ミネルバ税理士法人 上田公認会計士事務所

発行:2025-02-17
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医療費控除の対象となる医療費

今回は、医療費控除の対象となる医療費についてご案内いたします。
医療費控除の対象となる医療費には次のようなものがあり、その病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額とされています。

対象となる医療費

1 医師又は歯科医師による診療又は治療の対価

ただし、健康診断の費用や医師等に対する謝礼金などは原則として含まれません。

2 治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価

風邪をひいた場合の風邪薬などの購入代金は医療費となりますが、ビタミン剤などの病気の予防や健康増進のために用いられる医薬品の購入代金は医療費となりません。

(注)平成29年1月1日から令和8年12月31日までの間に支払う特定一般用医薬品等の購入費は、その年中に健康の保持増進および疾病の予防への取組として一定の健康診査や予防接種などを行っているときに、通常の医療費控除との選択により、セルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)の対象となります。

3 病院等へ収容されるための人的役務の提供の対価

4 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価

ただし、疲れを癒したり、体調を整えるといった治療に直接関係のないものは含まれません。

5 保健師、看護師、准看護師または特に依頼した人による療養上の世話の対価

この中には、家政婦に病人の付添いを頼んだ場合の療養上の世話に対する対価も含まれますが、所定の料金以外の心付けなどは除かれます。また、家族や親類縁者に付添いを頼んで付添料の名目でお金を支払っても、医療費控除の対象となる医療費になりません。

医療費控除の対象であるかの判断は個別具体的なこともあり、その判断に困ることがあるかと存じますので、弊社担当者までご相談ください。
また、入院費給付金や高額療養費、出産育児一時金など医療費控除の計算の際に失念しやすいものもございますのでご注意ください。

拠出限度額の引上げ
DC iDeCo iDeCo+の促進

老後生活安心プランのNISAとDC

老後に向けた資産形成促進制度としては、「貯蓄から投資へ」の政府政策を基とした「資産所得倍増プラン」として運用益を非課税とするNISAと拠出額をも非課税とする確定拠出年金(DC)があります。
 DCでは拠出された掛金が個々の加入者の持分として明確化され、加入者が自己責任で運用し、その運用の結果が年金等給付額となります。DCには、企業型と個人型があります。

DC iDeCo iDeCo+

企業型DCでは、事業主が掛金を拠出します。限度額は月額5.5万円です。企業型年金規約に定めがある時は、加入者個人も事業主掛金を超えない範囲で拠出(マッチング拠出)もできます。
 個人型DC(iDeCo)は国民年金基金連合会が金融機関に業務を委託して実施し、加入者自身が掛金を拠出します。また、企業年金を実施していない中小企業事業主が、従業員の掛金に上乗せして掛金を拠出すること(iDeCo+)も可能です。
 拠出限度額は、国民年金第1号被保険者は月額6.8万円、企業年金がない第2号被保険者と第3号被保険者は月額2.3万円です。企業年金がある第2号被保険者は月額2万円です。

拠出時と受取時の課税関係

DCの企業拠出金は拠出時には個人の所得にはなりません。個人拠出金は全額が所得控除の対象になります。運用益は非課税です。DCから個人が受取る時には、年金か一時金又は両方併用でとなり、全額が所得となります。年金としての受給では公的年金等控除の対象になり、一時金としての受給では退職所得控除の対象になります。

今年の促進策としての税制改正

令和7年度税制改正で、確定拠出年金(企業型DC、個人型DC)の拠出限度額が次のように引上げられます。
①第2号被保険者の企業型DCの拠出限度額を月額5.5万円から6.2万円に引上げる。
②第2号被保険者のiDeCoの拠出限度額を月額2万円又は2.3万円から6.2万円に引上げる。
③第1号被保険者の拠出限度額(iDeCoと国民年金基金で共通)を月額6.8万円から7.5万円に引上げる。
④企業型DCのマッチング拠出での事業主掛金の範囲内との限度要件を廃止する。

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