上田会計 四季報 2017年夏号
この記事の目次
競合が厳しい業界でも創意と工夫でお客様が押し寄せる仕組みが作れます!
競合が厳しい業界での経営課題
上田会計では、歯科医院を100件弱サポートしています。歯科業界も首都圏では競争が激しく、特色を持った歯科医院経営が求められています。
歯科医院の売上は大別すると、保険診療収入と自由診療収入に分けられます。国全体の医療費の抑制傾向から、保険収入に頼らない自由診療の拡大が大きな経営課題になっています。
国民医療費40兆8千億円のうち、歯科診療に伴うものは6.8%程度の2兆8千億円となっています。歯科医師と医師の人数比は1:3であり、歯科医師1人当たりの使える医療費の少なさが際立っています。
しかし、現在歯周病と糖尿病や認知症との関連性も指摘されており、歯周病治療と口内を清潔に保つことが国民医療費の抑制にも効果が高く、その歯周病治療とメインテナンスの市場規模は200兆円とも言われ、ポテンシャルの高い分野です。
■常識をくつがえす歯科医院
歯周病治療を中心とした予防歯科を推進し、患者様から支持されている東京恵比寿にある若林歯科医院若林健史先生と上田が対談を行いました。
若林歯科の特徴は、一見すると歯科医院とはわからない佇まいです。表玄関を入るとエレベータがあり、2Fに上がるとホテルのコンシェルジュカウンターのようなローカウンターが受付です。
今までの歯科医院経営の常識からすると駅前立地の顧客導線上に目立つ看板というお決まりのパターンでしたが、そういった「勝利の方程式」をくつがえすような歯科医院です。恵比寿駅から徒歩5分ほどの位置にあり駅近ではありますが、目立つ看板は一切ありません。繁盛している秘訣は何でしょうか。
■歯周病治療を中心とした予約診療
30歳以上の8割が掛かっていると言われる歯周病ですが、治療を始める方が少ないのが現状です。歯周病は感染症で身近な人にうつす可能性があるにも関わらず、放置してしまう傾向があります。
しかし、近年お口の中の状態が健康の決め手と考えられており、意識の高い患者様も増えています。そうした人達が駆け込む歯科医院が若林歯科医院です。
■徹底した歯科ドックとカウンセリング
歯科医院で、検査に1時間以上かけることは驚きですが、患者の立場から考えると有難いシステムです。問診、14枚のX線写真、25枚に及ぶ口腔内写真、スタディーモデル、咬合診査、プロービング検査、歯科用CBCT画像などで徹底的に検査を行います。この検査結果を基に、次回来院時さらに1時間30分かけて患者さんに検査結果の説明を行い、どのような治療を行うべきかカウンセリングします。様々な選択肢を提示し、患者様の予算に応じた最適な治療を提供するよう考えられた仕組みです。歯周基本治療から始まり、その方にあった補綴治療を行い、お口の健康維持のためのメインテナンスを提供されています。
経営には知恵が必要です!
都内は歯科医院数も多く、厳しいマーケットです。しかし、独自の方針を貫くことで、厳しい中でもお客様が押し寄せる仕組みを作っている例として、他の業界でも参考になると考え、夏号で取り上げました。ご参考になれば幸いです。
(お問合せ先:上田会計営業企画部 03-3491-4836 薄波まで)