ミネルバ税理士法人 上田公認会計士事務所

発行:2016-04-25
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財産を残す納税戦略Ⅱ~退職金税制の活用

 

前回法人経営者の場合、税率の低い法人に利益を留保するのが得だという話をしました。しかし、このままだと個人の財産を増やせません。そこで活用するのが退職金税制です。

法人の役員は退職する時に退職金をもらうことができます。これは法人の損金になります。もらった個人は退職金について所得税を課税されますが、概算で給与所得の半分の課税で済みます。また分離課税なので、他の所得と合算されて課税されることはありません。もしも現役で亡くなられた場合は、遺族が退職金を受け取ります。これは相続財産になりますが、法定相続人一人当たり五百万円の控除ができます。

ここで退職金の積み立てに損金処理できる生命保険を活用することで節税した税金を保険料にまわしてさらに退職金を多くもらえるようにすることができます。ご興味のある方は担当者までご連絡ください。

勤務成績不良・協調性欠如を 理由とした解雇
勤務態度が問題ならば対処しておきたい

職務上で勤務態度不良や協調性が欠如している従業員を社員としての適性が欠けると判断した場合解雇はできるのでしょうか。
判例によると、他の従業員と度々対立し、上司の命令に従わず、遅刻・私用外出を繰り返す等不都合な行為を注意されても改めず、業務や職場秩序への影響が無視できないほどとなっている時は、勤務態度不良の理由で解雇も認められる可能性があります(高島屋工作所事件)。
また、勤務態度が悪く、自己中心的で他の従業員と感情的に対立するようであっても業務の阻害や職場秩序への影響がさほど生じていない場合、勤務態度を改めるように注意や指導をあまりしていない場合、他の従業員との人間関係の調整を図る等せずに解雇が認められない場合もあります(福岡大和倉庫事件)。
問題社員であっても解雇にするには本人が悪いと感じていないと労使トラブルに発展しかねません。

会社の対応・対策は

勤務態度不良の問題社員の処分を考えるならば、主観的、一方的であると思われないよう少なくとも、いつ、どのような行為にどのような問題があったのか、改善する為に注意・指導を繰り返すことが必要です。
もちろんその過程は指導記録等に記載しておく必要があります。
不都合な非行行為が軽微なものであり懲戒事由に該当すれば、けん責処分で始末書を提出させましょう。始末書を提出しない時はそれを理由にさらに懲戒処分を行う事はできないとする判例も多くあります(福知山信用金庫事件、豊橋木工事件)。
この場合は改めて非行行為を注意指導した上で、人事考課をマイナス評価にする等が適当かもしれません。
まず注意・指導した後は改善期間を与え、手順を踏んだ上で、それでも反省なく改善されないならば退職勧奨し、本人が拒否した場合は解雇もやむなしとして認められる可能性が高まります。

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