定年と隠居
休業のお知らせ
弊事務所では、社外研修のため下記の日にち休業させていただきます。
顧問先の皆様にはご迷惑をおかけしますが宜しくお願いいたします。
休業日 10月5日(木)、6日(金)
定年と隠居
現在日本ではサラリーマンなどの給与所得者が7割以上で農林水産業や専門職などの個人事業者は少なくなって来ているそうです。両者の大きな違いは仕事の引退時期を自分で決められるかどうかです。
給与所得者(オーナー経営者除く)には定年があります。これは所属している会社の都合で決められたものです。今、団塊の世代が定年退職者となり、退職後の長い人生を如何に過ごすかが問題になっています。
一方オーナー経営者や個人事業主は自分で引退時期を決めることができます。現業を後継者に譲るなりして自らは悠々自適の生活を送ることを隠居というそうです。とりあえず今は悠々自適の生活を送れる隠居を目指して本業で頑張りましょう。
H30年1月1日以後の手続き 保険契約者の名義変更と課税関係
現行法では、生命保険契約の契約者の名義を変更しただけでは、新たに契約者になった者に対する贈与の課税はありません。
具体的には、「甲」契約者でかつ保険料負担者、「乙」被保険者、「丙」保険金受取人の場合で、その後、甲から丙に契約者の名義を変更し、丙が保険料を負担することになったとしても、名義変更時までに、甲が負担していた保険料相当額については、丙への贈与にはならないということです。
名義変更後の課税の取扱いと問題点
上記例において、①丙への名義変更後、甲死亡前に保険の満期を迎えると、当該満期保険金は丙が受け取ります。この場合の丙の課税は、丙自身が負担した保険料相当額に対応する保険金部分は一時所得としての課税を受け、甲が負担した保険料相当額に対応する保険金は甲から贈与により取得したものとして贈与税の課税を受けます。
また、②名義変更後、甲の死亡前に被保険者乙が死亡すると、当該死亡保険金は丙が受取ります。この場合の丙の課税は、死亡保険金の内、丙が負担した保険料相当額に対応する保険金は一時所得としての課税を受け、甲が負担した保険料相当額に対応する保険金は甲から贈与により取得したものとして、贈与税の課税を受けます。
なお、③名義変更(甲から丙)が甲の死亡によってなされた場合には、丙は生命保険契約に関する権利を相続等により取得したことになり、甲の本来の相続財産として相続税の課税対象になります。
以上が保険契約の名義変更に関する課税の取扱いです。しかし、実際の申告では、名義変更に関する資料が十分に整備されていないこともあってか、受取保険金のすべてが一時所得として申告されていた等、法が予定していた申告が行われていない事例が散見されたようです。
平成30年1月1日以後の取扱い
現行法では、保険会社から税務署に提出される情報(支払調書)には、名義変更に関する情報、元の契約者の払込保険料に関する情報はありません。
そこで、平成27年度の税制改正で平成30年1月1日以後、保険金等の支払があった場合、または契約者が死亡し名義変更があった場合には、保険会社は上記情報を税務署に提出することを義務付けられました。
今一度、保険関係の書類を確認し、今後の対応を考えてはどうかと思います。