廃業はまだ早い
先日テレビでこのところ毎年全国の中小企業約3万社が廃業しているが、黒字なのに廃業しているケースが数十パーセントあり、その具体的な事例が紹介されていました。
チョークを製造販売していた経営者が高齢となり、後継者がいない、将来性が無いと判断して廃業したが、実はその会社の製品は世界的に高い評価がされており、その後事業を引き継ぎたい、協力したいといった問い合わせがあったという事例でした。
まとめとして経営者の判断とは異なる髙い評価が社会的にされている場合があるので、自ら廃業を決める前に客観的な評価をしてみることが必要だということでした。
そんな環境のなか、事業譲渡について相談にのってもらえる公的機関も増えてきました。
弊事務所も事業譲渡につきましては業界最大手と提携し、譲渡先を探せる体制が出来ています。
身近にそのような方がいらっしゃるようでしたら是非ご紹介ください。
個人の確定申告 申告手続きに留意!
確定申告の時期に入りました。多くの方は、ほぼ準備が完了し申告書の作成かと思います。
ところで、申告書作成の際には、収入について、それが非課税か課税か、または何所得になるのか、さらには、ある支出が必要経費になるかどうか等、いろいろと悩んでしまうこともあるかと思います。
一方で、申告手続き、具体的には、申告書を3月15日までに提出(期限内申告)しないと適用できない規定や青色申告書でないと適用できない規定もあります。
そこで、確定申告に伴う主な手続きの内容を確認してみたいと思います。
●純損失の繰越控除
平成22年分までは、損失発生年は期限内申告が要件でしたが、平成23年度以後は廃止されていますので、期限後申告でも適用があります。しかし、損失発生年の申告書は、一定の損失を除き青色申告書であることが要件です。
また、控除適用年ですが、損失発生後の各年において連続して確定申告書を提出しなければなりせんが、その申告は期限後申告でもよく、申告書の青・白は問いません。
例えば、青色申告者が法人成りをしたが、その年が赤字で純損失が発生、期限内に申告書を提出、そして、その翌年以後は給与所得(白色申告者)となった場合であっても、純損失の繰越控除は適用できます。
●純損失の繰戻し還付請求
前述の純損失の繰越控除は、発生年の損失を翌年以後の所得から控除して貰える制度ですが、この純損失の繰戻し還付請求は、発生年度の損失を前年の所得と相殺し、前年に支払った税金を取り戻す制度です。
この繰戻し還付請求は、前年分について青色申告書を提出していること、そして、本年分の青色申告書を期限内に提出し、かつ、同時に純損失の繰戻し還付請求書を提出することが要件です。なお、復興特別所得税に係る部分は還付されません。
●青色申告特別控除
事業所得者(家内労働者等の事業所得特例計算の適用者も含む)や不動産賃貸を事業的規模で営んでいる事業者には、青色申告特別控除65万円の適用があります。しかし、この控除を受けるためには、貸借対照表等の作成等一定の要件がありますが、何と言っても、申告書が期限内に提出されていないとこの控除の適用は受けられません。