ミネルバ税理士法人 上田公認会計士事務所

発行:2024-06-12
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経費計上で失敗しないために!スポーツ選手が知っておくべき税務経理のポイント

スポーツ選手が知っておくべき税務会計のポイント

品川区五反田にありますミネルバ税理士法人です。

当社では数多くの事業主の方をサポートしています。ここ最近スポーツ選手やアスリートの方の税務会計・法人成りのご相談が増えています。今回はスポーツ選手が知っておくべき経費について簡単にお話させていただきます。

 

所得税法上の「経費」は、次のように考えます。

原則:収入を得るために直接必要な売上原価や販売費、管理費その他費用のこと

これを噛み砕いていくと、いくつかのキーワードが見えてきます。

【収入】賞金や契約金、スポンサーからの収入など
【収入を得る】試合に勝つ、チームやスポンサーと契約する
【直接必要な売上原価や販売費、管理費その他費用】収入を得るためだけに必要な活動に係った費用。具体的には、練習やトレーニング、スポンサー獲得のための営業などにかかった費用。

例えば、専属のトレーナーに支払っている費用は「外注費」、競技に必要な道具は「消耗品」または「備品」、スポンサー企業の担当者と打ち合わせをした際の飲食費は「接待交際費」として経費として認められる可能性が高いでしょう。

重要なのは「収入を得るために直接必要な支出かどうか」という判断基準を持つことです。
この「直接」という部分には、一般に「生活」するために必要な支出を含んではいけないという意味があります。

例えば、遠征先での食事は経費にすることができません。アスリートにとって、コンディション維持のため食事が大切なことは言わずもがなです。しかし、スポーツをしていない一般の人にとっても食事は生活のために必要な行動・支出です。このように、「競技を行って収入を得る」ためだけに支出しているとは言えない費用については必要経費に含めることはできません。

 

スポーツ選手の競技活動は日常のルーティンとなっている場合が多く、プライベートとの区別をすることが難しいものです。
そこで、経費にできるかどうか迷ったときは次の3つの問いに当てはめて考えてみるとわかりやすいでしょう。

①競技に必須な支出か(これをしなければ競技を行うことができない)
※勝つために必要かどうかではなく、競技自体を行うために必要かどうかを考えてください。

②一般の人には必要な支出か(競技をしていない場合に行うかどうか、引退後も行うかどうか)
※競技をしていない場合や引退後も発生する場合は「競技のためだけ」の支出とは言えないでしょう。

③客観的にみて根拠となる「証拠」を提示できるか(アスリートではない税務署の職員から見て納得できる根拠があるか)

家族との食事にかかった費用を経費計上していたプロ野球のコーチは、税務調査で指摘を受け経費への計上を否認されました。結果、所得税のペナルティを受け、追加で税金を払うこととなりました。
追徴課税の税率は延滞税が7.3~14.6%、加算税が10~40%と高額です。正しい経費の計算を行ったときよりも高額な税金を払わなければならなくなる可能性もあります。

 

また、税務調査で指摘を受けた場合、有名な選手ほど大きなニュースになることがあります。
そうなればスポンサー契約の打ち切り、違約金の支払い、競技連盟からは一定期間の活動停止処分を受けるなど、選手活動にも大きな影響を及ぼします。

このような事態に陥らないよう、経費計上については厳格に行う必要があります。「収入を得るために直接必要な支出かどうか」「競技のためだけに支出した費用かどうか」を判断基準として、適切な経費処理を行いましょう。

 

経費にできるかどうか悩んだ時には税理士や税務署に確認してみることをおすすめします。

ミネルバ税理士法人では、スポーツ選手など「自分自身で稼ぐ」事業主の方を応援しています。現役のアスリートである税務サポ―トアドバイザーも在席していますので、スポーツ選手・アスリート特有の悩みや事情に寄り添った税務サポートをご希望の方はぜひ一度お問い合わせください。お問合せいただく際は、「スポーツ選手のブログを見て問合せした」とご連絡いただければと思います。

スポーツ選手向けの税務会計のポイントについてのブログは下記もご欄ください。

スポーツマンシップにのっとった節税

 

アスリート税務アドバイザー

北海道大学大学院出身。「武術太極拳」の現役選手。競技では2026年アジア競技大会日本代表・メダル獲得を目指しながら、デュアルキャリアアスリートとして、ミネルバ税理士法人に勤務。税務スタッフアドバイザーとしてお客様を担当しながら、スポーツ選手、コーチ、インストラクターのための税務・会計アドバイスを発信中。

将来の夢は、プロアマ問わずスポーツ選手をはじめとした「自分自身でたたかう人」に寄り添う税理士になること

[経歴]

第8回アジアジュニア武術選手権大会 [A組]太極拳6位・太極剣6位
第7回アジアジュニア武術選手権大会 [A組]太極拳5位・太極剣4位
第39回全日本武術太極拳選手権大会[自選難度]太極拳2位

2023年国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」武術太極拳 成年女子 総合太極拳(自選)北海道代表

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