偽装フリーランスと認定された場合の社会保険・税務
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雇用契約を結んでいないフリーランスにもかかわらず、実質的に企業の指揮命令下にある「偽装フリーランス」が2023年度の1年間で153人いたことが、厚生労働省の集計で発表されました。労働基準法では企業と雇用契約のある従業員を労働者としており、雇用契約を結んでいないフリーランスはあてはまりませんが、業務指示を拒否できなかったり勤務場所や時間が指定されたりする場合は、契約形態にかかわらず労働者と認定されます。
労働者ではないフリーランスは、事業者側が社会保険料負担や労働時間規制などから逃れるための抜け道として使うリスクがあります。
厚生労働省は集計結果を日本年金機構に提供しており、厚生年金などの適用対象となるか調査しているとのことです。
また、雇用契約を結んでいないフリーランスが実質労働省として働いている場合、税務上も問題になります。
具体的には、源泉所得税の徴収漏れ、消費税仕入税額控除の否認を税務署から指摘されて追徴課税されます。
フリーランス(外注費)か労働者(給与)かどうかを税務上判断する基準として以下の点が挙げられます。
・その役務の提供が他人の代替ができない
・事業者の指揮監督を受ける
・不可抗力で成果物の納品ができなくても作業時間分の請求ができる
・仕事に必要な材料、用具等は供与されている
上記基準に該当する場合、フリーランス(外注費)ではなく労働者(給与)と判断される可能性がございます。
そのため、契約内容を明確にして、契約通りの業務を行わせることが重要です。
不明点等ございましたら弊社担当者にお問い合わせください。
報道発表資料から見る
令和5年分確定申告状況等
所得税等は人・額ともに増加
国税庁は毎年、所得税等・消費税・贈与税の確定申告状況を報道発表しています。令和5年分の申告所得税及び復興特別所得税の申告人員は2,324万人で、対前年比+1.3%、納税人員の所得金額は49兆5,574億円(+7.0%)、申告納税額は4兆499億円(+10.0%)となっており、前年分と比較するといずれも増加となっています。
消費税の申告数は大幅増加
令和5年10月からインボイス制度が開始された影響で、令和5年分の個人事業者の消費税の申告件数は、197万2千件で、対前年比+86.9%となりました。申告納税額は6,850億円(+9.1%)となっています。
インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になった場合、売上に係る消費税額から売上税額の8割を差し引いて納付税額を計算できる、いわゆる「2割特例」の統計も参考として公表されており、免税事業者からインボイス発行事業者になったのが87万5千人、そのうち2割特例を適用して申告しているのが73万4千人で、83.9%が2割特例適用者になっているとのことです。
e-Taxへの移行は堅調に推移
e-Taxによる所得税等の申告人員は1,604万6千人(+7.3%)で、全体の申告人員が2,324万人ですから約69%がe-Taxを利用しているということになります。国税庁はオンライン利用を推進しており、年度目標も掲げています。令和5年度の目標は71%で目標には届いていませんが、e-Taxの利用割合は年々増加しており、令和8年の80%目標も現実的な数値として見えてきています。
申告会場等でのe-Tax利用ではなく、税理士の代理送信を含む「自宅等からのe-Tax利用」の人数、スマホを利用してe-Taxで申告した人数、マイナンバーカードを利用して申告した人数についてはいずれも増加しています。その中でも顕著なのが、マイナポータル経由で控除証明書等のデータを一括取得して、申告書の該当項目へ自動入力するマイナポータル連携です。マイナポータル連携を利用して控除証明書等を取得した人は190万9千人で、対前年比+45.0%となりました。
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