【給与計算・年末調整が大変になる!?】定額減税で増える事務作業を賢く解決!
1 はじめに
2024年6月から実施される所得税の「定額減税」制度。会社員の立場からすると税金が安くなるので嬉しい反面、経営者や経理担当からすると給与計算や年末調整の作業が大変になるのではないかと不安を抱えているかと思います。そんな方に向けて、今回の定額減税で具体的にどんな作業が増え、対策方法があるのかについて整理してみました。
2 こんなことで悩んでいませんか?
・定額減税制度が給与計算や年末調整にどのような影響があるのかわからない。
・定額減税制度によって、事務作業が増えてしまわないか不安。
3 定額減税で増える給与計算や年末調整の負担とは?
今までの給与計算や年末調整の作業に比べて、正しく定額減税を実施するために、いくつか事務作業の手間が発生します。
定額減税の影響によって、まず給与計算フローの見直しや給与計算ソフトの設定変更や修正が必要となります。具体的には、月次減税事務といって毎月の源泉所得税から減税額を控除(差し引く)という作業です。
・控除対象者の確認と定額減税申告書の作成(扶養家族や労働実態などから、どれくらい減税できるのか確認)
・各人別控除実績簿の作成(人によって減税額が違うので表によって正しく減税がされるよう管理する。)
・6月から支給する給与から控除額を計算し、減税された税金で計算し給与明細を作成
このように従業員の収入や家族状況によって控除される限度額が変わりますし、毎月源泉税から控除する金額の管理が必要になってきます。特に給与計算ソフトを使わずにアナログな方法で給与計算業務をしている方には大変な負担になることが予想されます。
年末調整では扶養控除申告書などの各種控除申告書と添付資料を提出するだけで済んでいたものが、定額減税の制度スタートによって現在わかっているだけでいくつか注意点があります。
・令和6年6月2日以降に入社した従業員については年末調整にて定額減税の対応。
・年末調整時までに扶養家族の変化を確認して減税額の最終調整をする。
具体的な内容はこれから情報がリリースされていくと思いますが、定額減税によって追加の確認作業や注意点が出てくることに間違いはありません。
4 定額減税によって増える事務作業にどうやって対策をする?
給与計算ソフトは月額数千円で使えるものが多く、定額減税の導入による書式の変更にも対応しています。基本的には初期設定をし、月額報酬を入れることにより、自動的に計算をしてくれます。
ほとんどの給与計算ソフトで定額減税額の反映と減税累計額の管理がソフト内で行えるはずですので手書きで給与明細を作っている時と比べて大きく作業が効率化されると思います。事前に給与計算ソフトを提供する会社に、定額減税に関してどのような対応をしているか確認することをおすすめします。
定額減税によって増える事務作業や注意事項は経営者や給与計算担当者にとっては大きなストレスに感じるかもしれません。経営者や事業主であれば、誰がやっても同じ業務であればそちらは専門家に代行を依頼をして、自分自身は経営や売上の上がる取り組みに集中した方が良いと言えます。
5 まとめ
定額減税による給与計算や年末調整の負担は残念ながら、必ず増える見込みです。今から準備をすることで、会社の実務に影響が出ない対策を検討してみてはいかがでしょうか。
定額減税による給与計算や年末調整の負担にお困りの方は、ぜひミネルバ税理士法人にご相談ください。