ミネルバ税理士法人 上田公認会計士事務所

発行:2024-03-18
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「定額減税」で例年と何が違う?

いつもお世話になっております。
品川区五反田最大手のミネルバ税理士法人でございます。
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岸田首相が昨年秋に表明されました「定額減税」ですが、何税がいつ減税になるのか気になるところかと思います。

減税額は
所得税3万円×(扶養者数+1人)
住民税1万円×(扶養者数+1人)
です。
扶養者は「令和6年分給与所得者の扶養控除申告書」をお勤め先に提出をされている方が該当します。年金受給者の方も年金事務所へ同じような書類を提出されている方が該当となります。また、配偶者控除・配偶者特別控除を適用されている配偶者の方も含まれます。
対象者は
令和6年分所得税の納税義務のある居住者で令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下(給与収入の場合年収2,000万円以下)である人
になります。この所得額は「合計」とありますため、退職所得や不動産譲渡所得等も含む全所得になりますので、ご注意ください。

サラリーマンの方は令和6年6月1日以降に支給される給与・賞与に対して、本来天引きされます源泉所得税額を上記算式にて計算されました減税分だけ減らしていくという方法で計算がされます。
扶養0人で毎月控除されるべき源泉所得税が12,000円の方の場合、6・7月は源泉所得税が0円、8月は6,000円、9月以降は従来通り12,000円といった形になります。
年金の方も同様に6月1日以降に支給されます年金に対して、本来控除されるべき源泉所得税を上記算式にて計算されました減税分だけ減らしていく方法がとられます。
一方、個人事業主の方につきましては、確定申告の時に減税が実施されることになりますので、令和7年3月の申告まで減税がないことになります。

「私はそこまで給与が多くないので年間30,000円も源泉所得税を引かれていない」という方もいらっしゃると思います。年間の源泉所得税が20,000円の方は差額の10,000円がどうなるのか気になりますね。国か会社から10,000円を貰えるのか?それとも住宅ローン控除のように住民税から控除されるのか?と思うかもしれませんが、どちらもないそうです。あくまで「減税」ですので、不足分を貰えることはありません。

次に住民税ですが、住民税は会社で計算をして控除しているのではなく、皆さまのお住いの市区町村の方で計算をして課税してくることになります。
特別徴収の場合、例年6月~翌年5月の12分割で控除していますが、今年は6月がなく、7月~翌年5月の11分割になります。
(年税分-定額減税額)÷11
となりますので、こちらも減税の実感があまりないかもしれません。

税金等のご相談・お問い合わせは弊事務所担当者までお気軽にお問い合わせください。

「障害者差別解消法」の改正

「合理的配慮」の義務化

令和3年5月28日に可決・成立した、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(以下「障害者差別解消法」)の改正法が、令和6年4月1日に施行されます。
これまで、民間事業者に対しては、「配慮をするよう努めなければならない(旧8条)」としていた障害者に対する「合理的配慮の提供」について、今回の改正により「配慮しなければならない(改正8条)」と義務化されました。

「合理的配慮」についての例

 今回の改正を受け、改正法のガイドラインに当たる「基本方針」が策定されています。ここに記載される「合理的な配慮」の例をいくつか挙げます。
・車椅子利用者のために、段差に携帯スロープを渡す、高い所に陳列された商品を取って渡すなどの物理的環境に係る対応を行うこと
・店内の単独移動や商品の場所の特定が困難な障害者に対して、店内移動と買物の支援を行うこと
 なお、基本方針には「記載されている内容はあくまでも例示であり、あらゆる事業者が必ずしも実施するものではないこと、この例以外であっても合理的配慮に該当するものがあることに留意する」と付け加えられています。

「合理的配慮」の義務違反に該当する例

 基本方針で、合理的配慮の提供義務違反として挙げられている例もいくつか紹介します。
・イベント会場内の移動に際して、支援を求める申し出があった場合に、「何かあったら困る」という抽象的な理由で、具体的な支援の可能性を検討せず、支援を断ること
・自由席での開催を予定しているセミナーにおいて、弱視の障害者からスクリーンや板書等が見える席での受講を希望する申出があった場合に、事前の座席確保などの対応を検討せずに「特別扱いはできない」という理由で対応を断ること
法の対象となる事業者
「障害者差別解消法」における合理的配慮の提供義務がある事業者は、法人・個人を問わず、また、営利であるか非営利であるかも問いません。基本的に「全ての事業を行う者」に関係のある法律であり改正であるという意識が必要です。

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