ミネルバ税理士法人 上田公認会計士事務所

発行:2023-10-02
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インボイスの受領・保存について

いつもお世話になっております。
品川区五反田最大手のミネルバ税理士法人でございます。
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ついにインボイス制度が開始しました。

今回は、インボイス制度において保存が必要となるインボイスの受領・保存方法についてお伝えいたします。

まず、インボイス制度における仕入税額控除について、確認します。
インボイス制度においては、請求書・領収書を受領する(経費等を支払った)際、インボイスを受領し、保存することが必要となります。   
   ※インボイスは、インボイス発行事業者からでないと受領できません。   
   ※インボイスを受領できなかった場合、仕入税額控除できる金額は次の通りです。
     (少額特例を受ける場合等、例外があります。)    
        ・令和5年10月1日から令和8年9月30日までは仕入税額相当額の80%     
        ・令和8年10月1日から令和11年9月30日までは仕入税額相当額の50%     
        ・令和11年10月1日以降の仕入税額相当額の0%

次に、インボイスの受領・保存に注意が必要な取引を確認します。

(1)ETCクレジットカードを利用した高速道路利用について
 高速道路の利用について、ETCシステムにより料金を支払い、ETCクレジットカード(高速道路会社が発行するETCコーポレートカード及びETCパーソナルカードを除きます。)で精算を行った場合に、支払った料金に係る仕入税額控除の適用を受けるには、原則、高速道路会社が運営するホームページから通行料金確定後、簡易インボイスの記載事項に係る電磁的記録をダウンロードし、それを保存する必要があります。
 クレジットカード会社がそのカードの利用者に交付するクレジットカード利用明細書は、そのカード利用者である事業者に対して課税資産の譲渡等を行った他の事業者が作成及び交付する書類ではなく、また、課税資産の譲渡等の内容や適用税率など、適格請求書の記載事項も満たしませんので、一般的に、インボイスには該当しません。ご注意ください。

(2)Webサービスについて
 AmazonやGoogle等のWebサービスを利用し、利用料を支払った際にも、インボイスの受領及び保存が必要です。
 各Webサービスについて、マイページ上からインボイスを受領することができるようになると考えられます。
 インボイスの受領方法は、Webサービスごとに異なりますので、お使いのWebサービスを運営している会社へお問い合わせください。

(3)従業員立替経費について
 企業が役員または、従業員名の宛名の領収書等を受領した場合、自社の支出であることを明らかにするため、企業名を記載した立替金精算書を作成し、従業員名のインボイスと併せて保存することで課税仕入れに係るインボイスの保存があるものと取り扱われます。
 立替経費精算書のひな型を弊社より提供可能です。必要な場合、弊社担当者へご依頼ください。

免税事業者からの課税仕入れ
に係る控除対象外消費税額

控除対象外消費税の規定

法人税では、資産の課税仕入れに係る消費税等のうち、仕入税額控除ができない「控除対象外消費税額等」について、①課税売上割合80%以上、②棚卸資産に係るもの、③一の資産に係る控除対象外消費税額等が20万円未満、のいずれかに該当する場合は、損金経理を要件にその事業年度で全額を損金算入すること等の処理が認められています。
免税事業者からの控除対象外消費税
 本年10月1日以降適格請求書等保存方式(インボイス制度)の開始後、税抜経理を採用する企業が免税事業者等から資産の課税仕入れをした場合に算出される仮払消費税額の中に、仕入税額控除の対象外となる金額が含まれることになるとしたら、そして、上記①~③のいずれかに該当する場合だったら、一時の損金として処理することができるでしょうか。

控除対象外ではあるが

本年10月1日以降の当面3年間に於ける、免税事業者等からの課税仕入れの額の110分の2は、法人税において仮払消費税等に該当しないものとされ、控除対象外ではあるが、それは消費税にも該当しないも
のとされているので、冒頭の「控除対象外消費税額等」にも該当しません。

消費税ではなく本体価格

免税事業者等からの課税仕入れであることによって生じる仕入税額控除対象外の金額は資産の課税仕入れの本体価額の一部を構成することになります。課税仕入れの対象がサービス等の経費ならば経費の額に、課税仕入れの対象が減価償却資産ならばその資産の取得価額に含めることになります。もし、控除対象外消費税の扱いで期末に雑損失等で処理していたとなると、経費性のものならばそのままで認容されますが、資産性のものであったなら、減価償却費の計上限度超過額等の扱いを受けることになります。

対応してない会計ソフトだったら

本年10月1日からのインボイス制度の開始により、免税事業者等からの課税仕入れ等について仕入税額控除が制限されるため、仕入税額控除できない額について、仕入本体価額に含めるための経理処理対応が求められていますが、会計システムの改修が必要であり、それに対応しきれていない場合には、決算時に追加的な補正・修正処理を行うことになるので、上記のような問題意識に遭遇することになります。

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