中小企業倒産防止共済掛金の損金算入と特例の見直しについて
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令和6年度税制改正において「中小企業倒産防止共済の掛金の損金算入の特例」の見直しが行われました。今回は、本制度の概要、税制改正についてお話いたします。
中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)制度とは、共済契約者が、取引先企業の倒産により売掛金債権の回収が困難となった場合に、連鎖倒産等の事態を防止するため、積み立てた掛金総額の10倍の範囲内(最高8,000万円)で、回収困難な売掛債権等の額以内の共済金の貸付を受けられる制度。
加入資格は、業種ごとに要件が定められており、以下のとおりです。
・製造業、建設業、運輸業等:資本金額3億円以下又は従業員数300人以下
・卸売業 :資本金額1億円以下又は従業員数100人以下
・サービス業 :資本金額5,000万円以下又は従業員数100人以下
掛金については、月額5,000円から20万円までの範囲(5,000円単位)で自由に選択でき、総額800万円に達するまで積み立てることができます。
前納や増額、一定の要件を満たせば減額も可能です。
払い込んだ掛金は税法上、法人の場合は損金、個人の場合は必要経費に算入できます。
1年以内の前納掛金も払い込んだ期の損金(必要経費)に算入できます。
解約した場合の解約手当金は税法上、法人の場合は益金、個人の場合は事業所得の収入金額となります。
節税を目的とした加入者が、短期間での脱退・再加入を繰り返すという実態があり、制度の本来の目的である連鎖倒産等の防止が達成できないことから、令和6年度税制改正において見直しが行われました。
今回の改正により、令和6年10月1日以後に共済契約を解除し、再度共済契約を締結(再加入)する場合には、解除の日から同日以後2年経過する日までの間に支出する掛金については、損金(必要経費)に算入できなくなりました。
既に加入されている方は、現在の加入状況の確認、共済契約解除のタイミングの検討を、今後加入を予定されている方は、加入・解除のタイミングを経営計画と併せて検討をすることをおすすめいたします。
ご相談の際は、是非当社までご連絡ください。
代表取締役等住所非表示措置の
創設-10月から非公開可能に!
登記の社長住所を非公開にできる制度創設
令和6年4月16日の商業登記規則等の一部を改正する省令(令和6年法務省令第28号)により、代表取締役等住所非表示措置が令和6年10月1日から施行されることとなりました。この措置は、株式会社の代表取締役、代表執行役又は代表清算人(以下「代表取締役等」といいます)の住所の一部を登記事項証明書や登記事項要約書、登記情報提供サービス(以下「登記事項証明書等」といいます)に表示しないこととする措置です。
平たくいうと、これまで登記簿謄本で表示されていた社長の自宅住所を、一定の要件の下、表示しないようにする制度です。ただし、最小行政区画=市区町村まで(東京都においては特別区まで、指定都市においては区まで)は記載されます。
代表取締役等住所非表示措置の要件
代表取締役等住所非表示措置を講ずることを希望する者は、登記官に対してその旨申し出る必要があります。この申出は、設立の登記や代表取締役等の就任の登記、代表取締役等の住所移転による変更の登記など、代表取締役等の住所が登記されることとなる登記の申請と同時にする場合に限りすることができます。そのため、住所の非表示だけを求めての申し出はできません。なお、申し出に際しては、株式会社が受取人として記載された書面がその本店の所在場所に宛てて配達証明郵便により送付されたことを証する書面等の添付が必要となります。
非表示のデメリットも事前考慮が必要です
代表取締役等住所非表示措置が講じられた場合には、登記事項証明書等によって会社代表者の住所を証明することができないこととなるため、金融機関から融資を受けるに当たって不都合が生じたり、不動産取引等に当たって必要な書類(会社の印鑑証明書等)が増えたりするなど、一定の支障が生じることが想定されます。
そのため、代表取締役等住所非表示措置の申出をする前に、このような影響があり得ることについて、慎重かつ十分な検討が必要です。
顧問の税理士や司法書士などと今後の事業展開とその際の非表示の影響をよく話し合っての検討をお勧めします。
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