中途採用での前職退職理由は本当か?
最近職員の中途採用活動で求職者との面接をやりました。ある求職者は、前職退職後ブランクの期間が1年以上あったので、その理由を聞いたところ、「実は。。。。」と本当の退職理由を話し始めました。前職が金融機関で、仕事中突然体が動かなくなり病院へ。医者の診断はパニック障害。激務が原因だと。
またある求職者は、金融系営業職で入社2年目になり週毎にノルマが課され、これを達成しないと上司から叱責されることが続き、とうとう朝起きられなくなり数か月後退職。二人とも退職後療養し、もう元気になったとのこと。
他業種の現場の厳しさを垣間見たことと、採用側は入社後のトラブルを防ぐために求職者が前職を退職した本当の理由をなんとか聞きだすことが大切だと思いました。
個別労働紛争解決制度の施行状況
「個別労働紛争解決制度」とは
この制度は事業主と個々の労働者との間の労働条件や職場環境をめぐるトラブルの未然防止や早期解決を図る為の紛争解決制度で「総合労働相談」「助言・指導」「あっせん」の3つの方法があります。「総合労働相談」は都道府県労働局や労基署、駅近隣に設置された相談コーナー等で専門員が行っています。「助言・指導」は都道府県労働局長が紛争当事者に対して解決の方向を示し、自主的解決を促進させます。「あっせん」は紛争当事者間に弁護士や大学教授等の紛争調整委員が入って話し合いをさせ解決を図ります。
総合労働相談は8年連続100万件超え
この度平成27年度の施行状況が厚労省より発表されました。平成27年度は前年度と比べ総合労働相談件数が微増、助言・指導申出、あっせん申請の件数は減少しました。但し総合労働相談の件数は8年連続で100万件を超え高止まりが続いています。総合労働相談のうち民事上の個別労働紛争の相談内容では「いじめ・嫌がらせ」が66,566件と4年連続で最多を記録しています。「いじめ・嫌がらせ」による相談が増えている背景は一般的に認知されてきていると言う事かもしれません。全体の2割以上(22.4%)あります。
解雇問題は37,787件(12.7%)、自己都合退職(12.7%)とほぼ同じです。相談対象者の就業形態は「正社員」が92,624件(37.8%)、「パート・アルバイト」は39,841件(16.3%)、「期間契約社員」25,732件(10.5%)、派遣労働者が10,549件(4.3%)でした。
いじめ等の助言・指導あっせん事例
①本人は先輩社員より「のろい」「気がきかない」「辞めたら」等の発言を受け上長に訴えたが対応してもらえなかったケース……本人と先輩を別部門に異動する助言により解決を図った。
②1年の有期雇用契約者がリーダーより無視、机を蹴る等の言動を受け通常の2倍の仕事量を押しつけられていたケースで期間満了までいられず退社し、会社に金銭補償を求めていたケース……あっせんにより解決金として賃金1カ月分相当を払う事で合意した。