住宅ローン控除における「調書方式」について
令和4年度税制改正により、住宅ローン控除に係る手続きについて改正がされています。
年末借入残高について、年末残高証明書を用いる「証明書方式」から、年末残高調書を用いる「調書方式」とされました。
従来の「証明書方式」は住宅ローン控除を適用する際に納税者が金融機関などの住宅ローン債権者から交付を受けた年末残高証明書を税務署に提出する方式でした。
「調書方式」は金融機関などの住宅ローン債権者が税務署に年末残高調書を提出し、国税当局から納税者へマイナポータル等を通じて年末残高情報を通知する方式です。
納税者側の手続きとして年末残高情報を取得するには、金融機関に対し住宅ローン控除の適用申請書の提出やマイナポータルでの事前準備が必要です。
また、令和6年12月末現在において「調書方式」に対応した金融機関の公表数は40行庫です。
「調書方式」に対応していない金融機関をご利用の際には従来の「証明書方式」となります。
令和6年以後に住宅ローン控除の適用を受ける方は、金融機関の状況もあわせてご確認ください。
確定申告について、お困りごとがございましたら、弊社担当者までご相談ください。
令和6年分
確定申告書の変更点
定額減税最後の砦?
令和6年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書については、定額減税関連の変更が加えられています。
第一表については右側中ほどの44番に「令和6年分特別税額控除(3万円×人数)」という記入欄が新設され、人数と減税額を記入することになります。また、その下の45番については、定額減税後の所得税額を記入する欄が設けられていますが、赤字の場合は0と記入するので注意しましょう。
第二表にも定額減税欄
第二表の中ほどにある「配偶者や親族に関する事項」の「その他」と記載された部分についても、定額減税絡みの変更です。以前は「控除を受けていないけれど所得金額調整控除の対象になる者」を表す「調整」というチェックボックスでしたが、今年はこの欄を「その他」に変更して、控除対象ではないが所得金額調整控除を受ける場合には「1」を記入し、申告者の定額減税の対象になる扶養親族である場合には「2」を記入することとなります。
「2」が入る場合はそもそも控除対象扶養親族か同一生計配偶者であり、「1」が入る場合は「2」の範囲外なのでこの欄1つで足りるということです。良く考えられています。
住宅ローン控除の特例対象個人
また、同じく第二表の「配偶者や親族に関する事項」の欄に「住宅」のチェック欄が新設されました。「特個」という部分にマルを付けるケースは「特例対象個人」に該当する人です。
・年齢が40歳未満かつ配偶者が居る
・40歳以上かつ、40歳未満の配偶者が居る
・年齢が19歳未満の扶養親族が居る
上記のいずれかに当てはまる人が「特例対象個人」となり、令和6年に住宅取得等をして住宅ローンを受ける場合、借入限度額に上乗せがあり、通常よりも控除額が増えるケースがあります。これを識別するために新設された項目です。
また、住宅ローン控除を確定申告する際提出しなければならない「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」についても、この「特例対象個人」の種別を記入する欄が新設されています。