役員貸付金について
いつもお世話になっております。
品川区五反田最大手のミネルバ税理士法人でございます。
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今回は役員貸付金についてご紹介いたします。役員貸付金とは、法人から役員に貸付けているお金です。
役員貸付金は、法人と役員間の契約に基づく貸付けのほか、法人口座より現金を引き出したが個人利用や領収書等の紛失により使途が不明になった場合などにも発生します。
金融機関からは、利益を過大に見せているのではないか、現預金の管理が杜撰な法人などではないかと判断される可能性があり、融資を検討している場合は注意が必要です。
続いて役員貸付をする場合の手続きを見ていきましょう。
法人から役員へ金銭を貸し付ける場合、原則下記が必要となります。
①株主総会・取締役会の決議・議事録作成
②金銭消費貸借契約書の締結
税務的には契約書がないと役員賞与と認定されるリスクがあります。
③適正な利息の受け取り
適正な利息については、国税庁のホームページにて下記のように示されています。
①会社が他から借り入れて貸し付けた場合 その借入金の利率
②その他の場合:貸付けを行った日の属する年に応じた次に掲げる利率 令和4年中に貸付けを行ったもの:0.9パーセント
法人、役員の共に事務的負担や税・資金的な負担の増加が起こるため、法人の現金管理、領収書・請求書等の管理をしっかりと行っていきましょう。
また、当社担当者宛てに月次資料を送付いただくことで、こちらからも貴社の現況をお伝えすることが可能となりますので定期的な月次資料の送付にご協力お願いいたします。
何か気になる点がございましたら当社担当者までご相談ください。
参考URL:No.2606 金銭を貸し付けたとき
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2606.htm
電子帳簿保存法の
電子取引データ保存の猶予改正
改正された電子取引データ保存
令和5年12月31日まで「宥恕(ゆうじょ)措置」が取られていた電子取引データ保存に関するルールが、令和5年の税制改正で変更されています。
令和4年の税制改正で設定された、やむを得ない事情がある場合、税務調査等で出力書面の提示または提出に応じられれば、令和5年末までの2年間は電子取引データの紙保存も許されていたのですが、令和5年改正において宥恕措置は年末で廃止と明言されました。
宥恕措置は終わるが猶予措置ができる
宥恕措置は終わりますが、「猶予措置」が新たに設定されました。
①保存時に満たすべき要件に従って電子取引データを保存することができなかったことについて、税務署長が相当の理由があると認める場合(事前申請等は不要)
②税務調査等の際に、電子取引データのダウンロードの求め及び電子取引データをプリントアウトした書面の提示・提出の求めに応じることができるようにしている場合
上記の条件を満たしている場合は、改ざん防止や検索機能などの保存時に満たすべき要件に沿った対応は不要となり、電子データを単に保存しておくことができるとしています。
宥恕措置との違いが分かりにくいようですが、宥恕措置では調査等での「ダウンロードの求め」に応じる必要はありませんでした。新たな猶予措置では紙保存した電子取引データも「ダウンロードの求め」に応じる必要がある、というのが異なる点です。
公官庁内のDX・ITC化が急速に進む中、市井との温度差を感じ取ったのか、なし崩し的な改正に感じられます。法的には緩くなった半面、ペーパーレス化や事務合理化を推進し、宥恕期間終了時からのルールを策定しようとしていた企業は、改正によって振り出しに戻るケースもありそうです。
宥恕措置中の出力書面の取扱い
宥恕措置中の電子取引データをプリントアウトした書面は、保存期間が満了するまではそのまま保存しておき、税務調査等の際に提示・提出できるようにしていれば問題はないとされています。
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品川区五反田最大手のミネルバ税理士法人にご連絡ください。