源泉所得税・住民税納付業務の賢い時間節約
従業員が増えて給料の源泉所得税の納付が毎月になったら、事業者は毎月納付書を作成して銀行に持って行って支払わなければなりません。しかしこれから述べる方法をとれば銀行に行かなくても納付が簡単にできます。先ず、税務署にe-Taxの申し込みをします。取引銀行のネットバンキングサービスを利用されていない場合は利用の申し込みをします。この二つの手続きが完了したら、e-Taxのメニュー画面から納税情報を入力することで毎月の源泉所得税の納付ができるようになります。
従業員の住民税納付が特別徴収の場合は、事業者は市区町村から届いた納付書を毎月銀行に持って行って支払しなければなりません。これについても、取引銀行のネットバンキングサービスに住民税の特別徴収の支払サービスがあれば、このサービスを利用することにより支払ができます。
請負と委任
請負契約とは
請負は、大工が家を建てる場合や、クリーニング店が洗濯をする場合などの契約をいい、請負人が注文者の指揮・命令を受けることなく自らの判断で仕事をする契約をいいます。結果を出さなければ報酬をもらうことができず、仕事を完成させて初めて報酬を請求することができます
委任契約とは
委任は、弁護士に依頼する場合や、医者の診療の場合などの契約をいいます。委任では、依頼された事務を処理することが目的であり、必ずしも結果を出すことは求められていません。したがって、結果を出さなくても報酬を受けることができます。
責任が違います
請負契約の最大の特徴は、「仕事の完成」という「結果」に対する責任を負う点です。ですから、受注者は結果責任を問われます。また、完成した仕事については、当然ながらミスがあってはなりません。仕事にミスがあった場合、受注者は、そのミスを補修したり、損害の賠償をしたりしなければなりません。このような責任を、「瑕疵担保責任」といいます。
一方、委任契約では、「法律行為」や「法律行為でない事務」のような、一定の行為について責任を負う点です。ですから、受託者側の地位、職業などに応じて、客観的に期待・要求されるレベルの責任を果たすべき義務を負うということです。
このような責任を「善良な管理者の注意義務」(一般的には「善管注意義務」)といいます。
印紙税の取り扱いも違います
印紙税法上 請負契約は課税文書となり、印紙の貼付が必要となりますが、委任契約は非課税文書となり印紙の貼付は不要です。
「業務委託契約書」という名称の契約書はよく見かけますが、内容が請負か委任かによって印紙の貼付の要・不要が分かれます。見極める大きなポイントは、成果物の引渡しがあるかないかです。迷った時はご相談ください。