現金残高が800万円も??
先日ある医院の院長と奥様が相談に見えられました。そこは医療法人で、今回の決算で現金残高が800万円もあるのでびっくり。実際の現金は数万円しかない。窓口収入を窓口担当者がちょろまかしたのか、記帳ミスなのか。顧問の税理士に聞いてみると院長が引き出されたものだと思っていたとのこと。これは本当に正しい説明なのかセカンドオピニオンを聞きたいとのことでした。
持参していただいた最近の日計表と試算表を拝見。窓口現金の管理状況をヒアリング。窓口現金は毎日診療終了後複数の職員で日計表と実残高の一致を確認。そのうちの売上金相当を院長に手渡し。これを帳簿上は小口現金への振替として、その後銀行に預け入れ。この小口現金の残高が800万円もあったのです。小口現金への振替に対して減少の処理が漏れている可能性が高いことがわかりました。この件について今の税理士に振替漏れがないか調査してもらうようアドバイスしました。現金の管理は当事者が出納帳を付けて毎日残高を確認しましょう。
平成29年分年末調整の留意点
年末調整の時期となりました。この年末調整は、毎月の給料や賞与から源泉徴収をした税額と、その年の給与の総額について納めなければならない税額とを比べ、その過不足額を精算する手続です。この手続により、大部分の給与所得者は、改めて確定申告をする必要はなくなります。
給与所得控除額の改正
今年の改正は、給与所得控除額の改正のみで、その内容は、給与収入1,000万円超の場合の給与所得控除額は220万円が上限とされたことです。
この改正に伴い、年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表も改正されています。
平成30年分の扶養控除等(異動)申告書
(以下、同申告書)
ところで、同申告書の提出は、年の最初の給与等の支払いを受ける日の前日までに給与等の支払者に提出することになっていますが、実務においては、前年の年末調整の際に同申告書を受理することも多々あります。
この同申告書ですが、平成30年分から配偶者控除及び配偶者特別控除の控除額の改正に伴って、同申告書の記載欄に、源泉控
除対象配偶者、同一生計配偶者の欄が加わり、平成30年1月以降の給料等の支払いの際には、配偶者が源泉控除対象配偶者、また、同一生計配偶者が障害者に該当する場合には、それぞれ扶養親族の数に一人を加えて源泉徴収することになりました。
そこで、源泉控除対象配偶者、同一生計配偶者の該当者の要件について留意が必要となります。前者は居住者の合計所得金額が900万円以下で生計を一にする配偶者の合計所得金額が85万円以下の人、後者は居住者の合計所得金額には制限がありませんが、生計を一にする配偶者の合計所得金額が38万円以下の人です。いずれも青色事業専従者等は除かれます。
なお、これら合計所得金額ですが、同申告書を提出する日の現況により判断することとなります。
年末調整の際に提出を受ける同申告書の記載欄を今一度確認しておきましょう。