退職所得の見直しについて
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本日は退職所得の見直しについてご案内いたします。
今までは勤続年数が5年以下の従業員に関しても退職所得控除後の金額の1/2の金額を退職所得としておりましたが、改正後においては退職所得控除後の金額が300万円を超える場合、その超える部分の金額については1/2が適用できなくなることとなりました。
そのため、勤続年数が5年以下の従業員に退職金を支給する場合、状況によって『増税』となることがあります。こちら令和4年1月1日以後に支払うべき退職手当等について適用となりますので、お気を付けください。
自署義務規定廃止から
押印義務規定の削除へ
署名の義務の廃止が先
3年前は、法人税申告書等には、代表者と経理責任者の自署押印義務があり、違反には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処すこととされていました。
この規定は、電子申告における税理士関与の場合の、税理士以外の電子署名を要しないとする行政手続オンライン化法下の実務実態と、著しい齟齬を来たしていました。
そして、平成30年の改正で、自署・押印制度は、電子申告の普及を妨げる要因として廃止されました。ただし、国税通則法の記名押印が必要との規定は残されたままでしたので、紙での申告では、押印が要求されていました。
自然進行としての押印文化の消滅は?
行政手続の電子化が進行すれば、ペーパーレスとなり、押印の機会そのものが減少し、絶対必要なもの以外の押印は、長期的にはなくなるだろうとの、静かなる変化は誰しも想定していたところです。
でも、押印文化の牙城は役所そのもので、この牙城の存在が社会全体の押印文化消滅への歯止めの役割を果たしており、いわんや牙城の自然崩壊など期待薄との判断もあったのだと思われます。
遡及立法・大綱立法の荒療治
それで今度は、牙城の本丸での役所に係る押印の廃止です。「令和3年度税制改正大綱」が令和2年12月21日に閣議決定され、この日から、国税関係申告申請書類への押印の制度が、原則廃止となりました。
法改正としては、国税通則法の押印規定が削除されることにより、押印を不要とする制度が実現することになるのですが、税制改正大綱には、「改正の趣旨を踏まえ、押印を要しないこととする税務関係書類については、施行日前においても、運用上、押印がなくとも改めて求めないこととする。」と書かれ、実質的な遡及立法を実行してしまうとともに、大綱の閣議決定による事実上の制度創設を実行してしまっていました。
大綱による立法と言える珍しい事例となっています。
税理士法は旧態依然
税理士法には、提出する租税申告書等に税理士と委任法人の代表者が署名押印しなければならない、との規定が残っていましたが、令和3年度の今回の改正で押印の文字は消えました。でも、署名の義務の規定の文字は相変わらず残ったままです。
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