ミネルバ税理士法人 上田公認会計士事務所

発行:2017-08-21
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金融機関も厳しい淘汰の時代へ

金融機関は戦後の経済成長期には預金を集め、これを企業の事業資金として貸し付け日本の産業育成、成長をサポートしてきました。しかしその後日本は成熟社会となり資金需要が急減。資金はダブつき金利は限りなくゼロに張り付いたまま。融資では利益が出ないので、国債を買って金利収入で利益をあげていたのですが、国債金利も限りなくゼロに。さらにフィンテックの発達と普及により業務が激減すると言われています。

金融庁もこのあたりのことはわかっており、金融機関に対して顧客・地域ニーズにあったサービスを提供していくよう指導しています。城南信金はクラウド会計のfreeeと提携したり、支店内にある空きビルを創業支援オフィスとして新規開業者に低料金で貸し出しを始めるそうです。これまで保守的と見られていた金融機関がこれから生き残りをかけてどんな新しいサービスを出してくるのか注目したいと思います。

 

中小企業の福利厚生プランの一つに 所得補償保険の活用
ダルビッシュの故障で「離脱補償」の保険?!

新聞報道によると、東京海上日動火災保険はプロ野球やJリーグなどのプロスポーツチーム向けに「選手不稼働対応保険」という保険の販売を始めたそうです。
この保険は、所属するスポーツ選手が傷害や疾病で長期離脱した場合に、離脱期間の年俸と代替獲得選手の年棒の8割を上限に保険金を支払うというもの。保険料は年棒の数%で、選手の年齢やポジション、過去の負傷歴等を基に算出します。
このような保険は、高額の年俸を選手に支払う海外のプロスポーツでは常識化していて、大リーグのダルビッシュ有選手が2015年シーズンを故障で離脱したときも、年棒の半分以上が補償されたようです。

福利厚生プランとして所得補償保険加入

中小企業の経営者も「従業員が長期入院をしたときは…」と不安を感じられているでしょう。そのような方には、「所得補償保険」(就労不能保険)の加入がおススメです。
所得補償保険とは、被保険者が傷害や疾病によって仕事に就くことができなかったときに、就労できない期間に応じて保険金(平均所得金額の範囲内)が支払われるものです。会社がこの保険の保険料を負担した場合、特定の従業員のみが加入するときは給与の取扱いになりますが、全従業員を対象(普遍的加入)とするときは厚生費として損金となり、保険金の受取り(受取人:従業員)は所得税の非課税となります。

就労不能期間の給与は出さないで大丈夫?!

また、業務外の傷害や疾病の場合、健康保険から傷病手当金(標準報酬月額の2/3程度)が支払われますが、厄介なことに、この期間に会社が給与を支払ってしまうと傷病手当金は支給されません。そこで、この所得補償保険を利用するわけです。実は、所得補償保険金を受取っても、傷病手当金は調整されません。事業主が所得補償保険を契約し、従業員の就労不能期間は、会社は給与を支払わない形にして、従業員は「傷病手当金+所得補償保険金」を受け取るという福利厚生プランができるわけです。

個人事業主自身のための所得補償保険

なお、個人事業主自身が被保険者及び受取人とする所得補償保険契約は、その保険料は業務について生じた費用とみなされず、必要経費とはなりません。生命保険料控除(介護保険料)の対象となります。

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