103万円の壁
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最近、ニュースで103万円の壁を178万円に引き上げという政策が話題になっています。
そこで今回は103万円の壁と178万円に引き上げた場合の影響について紹介させていただきます。
103万円の壁とは?
103万円の壁とは、給与収入が年103万円を超えると、自分のバイト代やパート代などに所得税が課税され始める年収額を指します。学生やフリーターなど家族の扶養に入っている人は、年収103万円を超えると扶養を外れ、親などの扶養者の所得税と住民税が増える年収額でもあります。税金は、課税対象の収入を1円でも超えると、税金が課税されたり、扶養から外れるので、対象になりそうな人は注意が必要です。
178万円への引き上げの動き
最近、この103万円の壁を見直し、178万円に引き上げるという議論が活発に行われています。この動きには、主に以下の背景があります。
・物価の上昇: 物価の上昇に伴い、生活費も高騰しており、103万円という金額では生活が厳しくなる人が増えている。・女性の社会進出: 女性の社会進出が進む中で、共働き世帯が増加しており、配偶者の収入が103万円を超えてしまうケースも多くなっている。・経済活性化: 税金の控除額を増やすことで、消費が活性化し、経済全体を活性化させようとする狙いがある。
178万円に引き上げるメリット
・所得格差の是正: 低所得層の負担を軽減し、所得格差を是正する効果が期待できる。・消費の活性化: 手取りが増えることで、消費が活性化し、経済成長に貢献できる。・女性の社会進出の促進: 女性が働きやすく、経済活動に参加しやすい環境が整う。
178万円に引き上げるデメリット
・税収の減少: 税収が減少する可能性がある。・財政への影響: 財政状況が悪化する可能性がある。
178万円への引き上げについては、まだ結論が出ていませんので、今後の動向に注視していきます。
ECサイトの電子取引データ保存
令和6年1月より事業者に電子取引データの保存が義務付けられましたが、緩和措置もあります。
ECサイトで物品を購入した場合
ECサイトでの取引記録は電子取引データとして保存が求められます。ECサイトの取引記録はダウンロードまたはPDFにて保存しますが、ECサイトで領収書等の取引データを随時確認できる場合は、必ずしもダウンロードして保存する必要はありません。
この場合、ECサイトで電子取引データの保存要件である「真実性の確保」と「検索機能の確保」の要件を満たす必要があります。なお、「検索機能の確保」については、基準期間(取引の行われた年の前々年)の売上高が5000万円以下の事業者、または電子取引の記録を書面で出力し、取引年月日その他の日付、取引金額、取引先ごとに整理して提示・提出できるようにしている事業者が、税務職員の求めに応じて当該取引データをダウンロードできるようにしている場合は、検索要件を満たしているものとして取り扱われます。
クレジットカードで購入した場合
ECサイトで購入した物品の支払をクレジットカードで行う場合、カード会社の利用明細も電子取引に該当し、電子取引データとしての保存が必要になります。この場合も利用明細をカード会社のサイトで随時確認できればダウンロードは必要ありません。
インターネットバンクの利用記録で保存
ECサイトで購入した物品の支払代金をインターネットバンキングを利用して振込、またはクレジットカードで引落した場合もEDI取引として電子取引データとしての保存が必要になります。この場合もオンライン上の通帳や入出金明細等で利用記録を確認できればダウンロードは必要ありません。
WEBサイトの保存期間に注意!
一方、税法上の領収書等の保存期間は、青色申告で原則7年、白色申告で5年ですが、これらの期間、WEBサイトで取引データが保存されないことがあります。この場合WEB上のデータが確認できなくなる前にダウンロードまたはPDFで保存する必要がありますが、WEBサイトで確認できるようになった段階での随時保存も有用といえます。
電子インボイスの保存
ECサイトで購入した物品の領収書等は、適格請求書等(電子インボイス)となりますが、電子取引データの保存に準じた取扱いを行うことで仕入税額控除ができます。