スタッフT.M

大通り沿いに立ち並ぶ大きなショーウィンドウの照明は消え、辺りがすっかり暗くなる頃。

細い道に入って歩いていくと、夜も深まってきたというのに明るい光が煌々と漏れてくる小さなカフェが何軒もある。

店の中を覗いて見てみれば、外の肌寒さや淋しさとは打って変わり、オレンジがかった空間の暖かさと女性客の賑やかさに驚かされる。

先日、私が立ち寄った店は深夜4時まで営業しているカフェだった。女性店員のにこやかな挨拶を受け、店内で作っているおいしそうなケーキやタルトが置かれたケースに目を向けた。

そもそも何故カフェに向かったのかといえば、洋菓子の好きな友人への手土産を買うためだった。

21時を過ぎれば東京のデパートも店じまいをしてしまう。綺麗に包装された高級なお菓子などを買う時間がなかった時、どうしようかと迷った際にふと思いだしたのがこの店だった。

コンビニのお菓子では味わえない、ちょっとした話題になりそうなお菓子が買いたい私のような人にとって、深夜まで開いている洋菓子店はとても有難かった。

悩んで買った店の看板商品のケーキはとてもおいしくて、途中下車してでも立ち寄った甲斐はあったと思う。

美味しいケーキが食べられて、夜遅くまで紅茶を飲んで過ごせる、まさに隠れ家のようなお洒落なカフェは女性の心を掴む不思議な力があるように感じる。

今回は一人で土産を買いに行った為にゆっくりする時間は無かったが、いつか気の合う友人達を連れて、暖かい店内で朝までのんびりと談笑するのもいいかもしれない。