令和7年度査察の概要について
発行: 2026.07.27
/いつもお世話になっております。
品川区五反田大手のミネルバ税理士法人でございます。
今回は、国税庁および各国税局より先日発表されました「令和7年度査察の概要」について取り上げます。査察(いわゆるマルサ)は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及することを目的とした調査です。今後の税務リスク管理の参考としてご一読ください。
(1)令和7年度の査察事績(全国)
国税庁の発表によると、令和7年度において検察庁に告発された件数は82件、脱税総額(告発分)は84億円に上りました。1件当たりの脱税額は約1億200万円となっています。また、一審判決が言い渡された80件全てで有罪判決が出ており、うち6人には実刑判決(最長で懲役6年)が下されるなど、厳正な処罰が行われています。
(2)最近の脱税手法と告発の傾向
令和7年度の特徴として、経済社会のデジタル化やグローバル化を背景とした以下の分野が重点的に調査・告発されています。
①ソーシャルメディア関連事業
SNS等を活用するインフルエンサーやイラストレーター、広告代理業者などが、売上を除外したり、架空の業務委託費を計上して脱税する事例が複数告発されました。
②海外取引・国際事案
海外法人に対する架空の輸入仕入れの計上や、不正に得た資金を海外預金として隠匿するなどの巧妙な国際的脱税スキームが摘発されています。
③消費税の不正受還付
消費税の仕入税額控除制度を悪用し、架空の仕入れや内容虚偽の見積書等を作成することで、消費税を不正に還付申請するいわば「国庫金の詐取」ともいえる悪質な事案が引き続き厳しく追及されています。
④無申告事案
多額の所得があることを認識しながら、意図的に確定申告を行わず納税を免れる「単純無申告」も多数告発の対象となりました。
(3)不正資金の使途と隠匿場所
脱税によって得た資金は、不動産や高級時計・ブランド品の購入、海外カジノなどのギャンブル、暗号資産への投資のほか、スマホゲームや動画配信サイトへの課金に費消されるなど現代的な傾向も見られました。また、現金の隠匿場所としては、居室のクローゼット内の紙袋やスーツケース、階段下収納の金庫など、身近な場所に隠し持つ事例が多く報告されています。
税務当局は、最新のデジタル技術や国際的ネットワークを駆使した多様な取引に対し、的確に情報収集を行い厳格な調査を実施しています。適正・公平な申告納税を行うことが、企業を守り信頼を高める最善の策となります。
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