ミネルバ税理士法人 上田公認会計士事務所

発行:2017-03-27
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自社株は今いくら?

今年の公示価格が公表され、土地の値上がりが特に関西圏で大きいとか。かつて昭和の終わりから平成の初めにかけての不動産バブルも東京から地方へと値上がりが移って行きました。

そこで気になるのは法人で安い価格で不動産を購入された方。不動産に含み益があると、自社株式の評価額も高くなり、相続や事業承継、M&Aにも影響が出てきます。

非上場株式の評価は、相続時は税務上の評価方法により不動産は公示価格の8掛けの路線価になり安めに評価されます。譲渡の場合は、不動産はその時の時価になり直近の近隣取引価格、公示価格等により評価されます。また事業の将来性の評価は“営業権”として評価されます。直近決算期の営業利益の3年から5年分が相場です。自社の株価を知りたい方は弊事務所担当者にその旨ご連絡ください。

 

馬券払戻金の所得区分と外れ馬券の必要経費性(ソフトウェア提供者側からの見解)

 

事件(裁判で争われた)の概要

馬券を自動的に購入できるソフトを使用してインターネットを介して長期間にわたり多数回かつ頻繁に網羅的な購入をして当たり馬券の払戻金を得ることにより多額の利益を上げていた被告人が、所得区分を一時所得ではなく、雑所得とし、その外れ馬券の購入代金が所得税法上の必要経費に当たるか否かという所得税法解釈の裁判です。

一時所得vs雑所得

(1)所得の区分
所得税法基本通達34-1の(2)で、一時所得の例示として「競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除く。)」とありました。※判決が出てから(注)として本テーマにかかわる所得区分が追記されていますが、裁判前(注)はありませんでした。
(2)外れ馬券が他のレースの必要経費か?
当たり馬券の購入代金費用だけでなく、外れ馬券を含む全ての馬券の購入費用が、当たり馬券の払戻金という収入に対応する必要経費か否かが論点でした。

馬券購入ソフトの提供者側からの意見

本件は、平成27年3月10日に最高裁により、「一時所得であり、外れ馬券を含む全ての馬券の購入費用が必要経費となる」とされました。納税者側の税法解釈は、学者の方々の評釈をご参照ください。
かつて馬券を自動的に購入できるソフトを開発・販売していた会社を顧客にしていた先生に聞くと、事業の内容からして、当然雑所得と考えていたので、裁判が起こされ、第一審で納税者が負けた時は“なぜこの解釈”との感想を持っていたそうです。
<理由>①馬券購入ソフトは、様々な過去のデータにより馬券の購入パターンを考案するものであり、競馬新聞の予想や当日の馬の状態は一切考慮しない、②その日のレースは勝てばそこで終了が原則である、③競馬レースを見ることなく着順の結果のみが興味の対象であり、位置づけは財テクであった等々、が理由であり、「営利を目的として継続的に行われている」ものとして雑所得になると考えていたとのことです。

実際の申告は会計事務所にご相談ください

本判決は、「ソフトを使いインターネット経由で長期・多数回・頻繁に中央競馬会のPATにて購入」等が前提です。条件が違う場合には、課税区分や計算方法も変わってきます。実際の申告は、会計事務所にご相談ください。

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