退職金を支給したいのだが、どうすれば良いのか?注意点は?
いつもお世話になっております。
品川区五反田最大手のミネルバ税理士法人でございます。
**********************************************************
<退職金を支給する際の税金について>
(1)所得税について
所得税の金額は従業員に「退職所得の受給に関する申告書」を書いてもらえるかどうかで異なります。
①「退職所得の受給に関する申告書」を提出した場合
この書類を退職者が提出していた場合、「(退職金ー退職所得控除)×1/2」に対して実際の所得税の税率でを計算して天引きすることになるので、確定申告義務者でなければ確定申告をする必要はなくなります。
ただし、税務署長から退職者の「退職所得の受給に関する申告書」の提出を求められた場合、提出をしなければならないので、会社でしっかり保管をしておく必要があります。
※退職金の所得控除
勤続年数20年以下の場合・・・40万円×勤続年数
勤続年数20年超の場合・・・800万円+70万円×(勤続年数-20年)
②「退職所得の受給に関する申告書」を提出しない場合
退職金の金額に対して、20.42%の仮の所得税を引かなければなりません。①の場合の所得税よりも金額は大きくなるため、従業員は確定申告をしなければ損したままということになります。
(2)住民税について
①給与から天引きするはずだった住民税
下記のいずれかの方法により納付します。
(1)退職月の給与から一括して支払う方法
(2)退職後に退職者自身が納付する方法
(3)再就職が決まっている場合、次の職場の給与から支払う方法
(2)、(3)を選択する場合には、退職者の住所の役所に届出書を提出する必要があります。
②退職金から計算によって天引きする住民税
「(退職金ー退職所得控除)×1/2」×10%(税率)が天引きするべき住民税の金額となります。
上記計算により、納付額が発生する場合、退職金支給月の翌月10日までに納付する必要があります。
<法人が役員に退職金を支給する際の注意点>
役員に退職金を支給する際には注意点があります。
役員報酬同様、役員に対する退職金であれば、利益調整が自由にできてしまう分取り扱いに注意する必要があります。
例えば、同種の事業規模の法人や同種の事業を営む法人と比較して、不相当な金額と認められる場合には、経費として否認されてしまう可能性があります。
そのため、役員の相当の退職金の金額は
「退職時の最終月額給与×役員としての勤続年数×功績倍率(役職によって異なります)」
といった求め方がありますので、このような計算に基づいて支給を考えられるとよいかと思います。
また、法人の経営に主要な地位を占めていない常勤役員が非常勤役員になったなど実質的に退職したと同様の事情にあると認められる場合にも退職金を支給することができます。
税金の計算方法は基本的には従業員と同じですが、勤続年数が5年以下の役員については、「退職金ー退職所得控除」に対して税率がかかります。
このように、退職金の支給の際の税金は通常の給与の支給の際の税金と異なり、法人の役員の退職金となりますと金額によっては経費として否認されてしまう可能性もあるので、実際に退職金を支給される際には注意が必要です。
**********************************************************
税務、経理でお困りなことがありましたら、お気軽に
品川区五反田最大手のミネルバ税理士法人にご連絡ください。